悩み相談

● 仏教

 

 仏教とは、釈尊(仏陀:ブッタ)によって開かれた教えをいいます。約二千五百年程前のインドにおいて誕生しました。

 

 仏陀とは真理を悟った者の意です。つまり、仏教とは仏陀の説いた教え、または仏陀になるための教えです。

 

 歴史をひもとけば紀元前500年頃に北インドでゴータマ・シッダールタ (釈尊) を開祖とする原始仏教団が誕生し、後に多くの分派に分れました。紀元前後には、より実践的な大乗仏教が興起しました。

 

 特に、インドの地は広大なため、釈尊が直接伝道教化に訪れた場所は一部の地域に限られました。しかし、釈尊の入滅後に国家統一を樹立したアショーカ王の篤い保護や、弟子たちの尽力により仏教はインド全域に発展的に広がっていきました。

 

 アショーカ王の時代には、保守的な傾向を持つ上座部系統と、他方、進歩的系統を持つといわれる大衆部系統とに分かれる「根本分裂」が起こります。そして、その後の仏教における大乗仏教と上座部仏教という二大潮流を生み出すきっかけとなりました。大きく分けると、前者がインド・西域・中国・朝鮮・日本へと伝承され「北伝仏教」として、後者がインド・スリランカ・タイ・ビルマ(現ミャンマー)へと伝播された「南伝仏教」としてそれぞれの地で息づいています。

 

 なお、仏教が他の諸宗教と比較して、際立っている特色を端的に述べるとすれば、それは「仏教は釈尊の大いなる悟り(大悟成道:だいごじょうどう)に基づいて説き明かされたという独自性(真理の発見)や、、その大悟に至るプロセスと大悟を会得した境地が如実に示されている点」、「仏教ではすべてのものに仏となる種子(仏性)が備わっていると説かれている点」が挙げられます。つまりこの世の真理を、それぞれの内に秘められた仏性に気づき、開花させる努力を積むことで、誰しもが仏になれる(成仏)、幸せになれるという点です。

 

 合掌

 

 

● 幸せへの道

 

 仏教の開祖お釈迦様はこの世の真理を説かれました。

 

 その代表的なものが「四法印」(しほういん:Four Dharma Marks)です。

 

 「諸行無常」(しょぎょうむじょう)・「諸法無我」(しょほうむが)・「涅槃寂静」(ねはんじゃくじょう)、

 

 そして、「一切皆苦」(いっさいかいく)です。

 

 英語では、 「All Things of This World are Suffering」と表現されます。

 

 つまり、この世にはたくさんの苦しみが・・・すべてのものは苦しみであると。

 

 まさに、「四苦八苦」(しくはっく)という言葉が浮かんできます。

 

 ただし、仏教ではこうした様々な苦しみ、心の悩みを解決し、幸せへと導いてくれる方法が説かれています。

 

 日々の生活の中、私たちが心穏やかに平穏に、そうした本来の自然な生き方の中に何かヒントが・・・

 

 「諸々の悪を作(な)さず 諸々の善を行い 自らの心を浄(きよ)めること これが諸仏の教えである」

 

 (法句経)

 

 これは、お釈迦様やそれ以前に出現した諸仏が説かれた「七仏通誡偈」という訓戒(くんかい)です。

 

 悪い行いをせず罪をつくらず、善行を積み、自他共の幸福を願う大きく、広い、豊かな心をはぐくむこと。

 

 そして、目の前に起こる出来事だけに心を止めたりせず、良いことも悪いこともすべてをあるがままに

 

 そうすることで、苦しみは苦しみだけの道にあらず、悲しみは悲しみだけの道ではなくなる・・・

 

 私たちは、誰もがひとりでは決して生きてはいけません。。悩みは誰にだって大なり小なりあるものです。

 

 おひとりで悩まないで、苦しまないで、誰かに打ち明けてみてください。

 

 迷惑がかかるから、迷惑をかけたくないから等思わないで少し甘えてみてください。

 

 困ったときは「お互い様」です。

 

 親しい方にお話するだけでも、話を聞いてもらうだけでも、気持ちや、心は楽になるものです。

 

 そして、もし少しでも心が穏やかになり気持ちが落ち着いたのなら、今度は次の誰か苦しんでいる人のためにあなた自身がその人の悩み事に耳を傾けそっと支えてあげる。

 

 「ペイ・フォワード (次へ伝える)」の精神で。

 

 今度は、あなたが誰かの力になる番です。

 

 いつかしか自身を苦しめていたはずの「悩み事」が、今度は人を助け、勇気づける大きな力となる日が・・・

 

 仏になる道、すなわち幸せになる道なのかもです。

 

 合掌

 

 高野山真言宗阿闍梨 天宮光啓 九拝

 

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